Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せいねん
青年
Lisez 青年 (せいねん) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 670 caractères · 246 écrans
象牙の紙切り小刀で、初めの方を少し切って、表題や人物の書いてある処を飜して、第一幕の対話を読んでいる。気の利いた、軽い、唯骨折らずに、筋を運ばせて行くだけの対話だと云うことが、直ぐに分かる。退屈もしないが、興味をも感じない。
二三ペエジ読むと、目が懈くなって来た。明りが悪いのに、黄いろを帯びた紙に、小さい活字で印刷してある、ファスケル版の本が、汽車の振動に連れて、目の前でちらちらしているのだから堪まらない。大村が活動写真は目に毒だと云ったことなどを思い出す。お負に隣席の商人らしい風をした男が、無遠慮に横から覗くのも気になる。
読みさした処に、指を一本挟んで閉じた本を、膝の上に載せたまま、純一は暫く向いの窓に目を移している。汽車は品川にちょっと寄った切りで、ずんずん進行する。闇のうちを、折折どこかの燈火が、流星のように背後へ走る。忽ち稍大きい明りが窓に迫って来て、車ははためきながら、或る小さい停車場を通り抜ける。
純一の想像には、なんの動機もなく、ふいと故郷の事が浮かんだ。お祖母あ様の手紙は、定期刊行物のように極まって来る。書いてある事は、いつも同じである。