Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうやひじり

高野聖

泉 鏡花

Lisez 高野聖 (こうやひじり) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 025 caractères · 71 écrans

Aozora Bunko

品物は侘しいが、なかなかのお手料理、餓えてはいるし、冥加至極なお給仕、盆を膝に構えてその上に肱をついて、頬を支えながら、嬉しそうに見ていたわ。

縁側に居た白痴は誰も取合ぬ徒然に堪えられなくなったものか、ぐたぐたと膝行出して、婦人の傍へその便々たる腹を持って来たが、崩れたように胡坐して、しきりにこう我が膳を視めて、指をした。

(うううう、うううう。)

(何でございますね、あとでお食んなさい、お客様じゃあありませんか。)

白痴は情ない顔をして口を曲めながら頭を掉った。

(厭? しょうがありませんね、それじゃご一所に召しあがれ。貴僧、ご免を蒙りますよ。)

私は思わず箸を置いて、

(さあどうぞお構いなく、とんだご雑作を頂きます。)

(いえ、何の貴僧。お前さん後ほどに私と一所にお食べなさればいいのに。困った人でございますよ。)とそらさぬ愛想、手早くおなじような膳を拵えてならべて出した。

飯のつけようも効々しい女房ぶり、しかも何となく奥床しい、上品な、高家の風がある。

白痴はどんよりした目をあげて膳の上を睨めていたが、

(あれを、ああ、ああ、あれ。)といってきょろきょろと四辺をす。