Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Lisez 黄金仮面 (おうごんかめん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 143 357 caractères · 287 écrans

Aozora Bunko

十分ばかり、生人形みたいに身体を強直させてじっとしていたが、少し気が静まったので、思い切って、枕元の呼鈴を押そうと、ソッと手を伸ばしかけると、部屋の隅に垂れている天鵞絨のカーテンが、まるで警告でもする様に、モクモクと動き始めた。

「アア、そうだ。やっぱりあの蔭に人が隠れているのだ」

と思うと、絹枝さんは恐怖の余り、手は伸ばしたまま云う事を利かなくなり、目はカーテンに釘づけになって、そらそうにもそらせないのだ。

カーテンはモクモクと動きながら、その合せ目が、少しずつ、少しずつ開いて行く。

一分、二分、開くに従って、合せ目の細い隙間からギラギラと光る物体が現れ、それが徐々に徐々に、最初は金の糸の様に、やがて金の棒となり、遂に一箇不可思議な金製の人の顔と拡がって行った。

黄金仮面!

絹枝さんは新聞や人の話で、世にも恐ろしい黄金仮面の噂を知っていた。その黄金仮面が、広い洋館に一人ぼっちの、彼女の寝室へ忍び込もうとは。余りのことに信じられぬ程だ。悪夢かしら、悪夢なら早く醒めよと祈ったが、決して決して夢ではない。

黄金仮面は、不気味に無表情な、糸の様な目でじっとこちらを睨んでいる。