Classiques japonais avec furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lisez おばけの正体 (おばけのしょうたい) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 925 caractères · 145 écrans
畢竟するに、人をしてひとたび天運のなんたるを明らかに了解せしむれば、生死の迷門も、禍福の暗路も、たやすく通過し得る道理でありますから、余はここにちょっと一口、天運のなんたるを述べようと考えます。
天運は規則なきがごとくにして規則あり、定まりなきがごとくにして定まりありて、あたかも夏は暑く、冬は寒いと同じき道理でありますから、決して迷うにも、怪しむにも、嘆くにも、悲しむにも及びませぬ。およそ天の道は公平無私にして、人間のごとく偏頗の私心あるものではありませぬから、人の方で自分勝手に願った祈りだとて、天はそれがために規則をまげるようなことは決していたしませぬ。すでに公平無私なれば、なにごとも権衡平均を保つように傾くが、天道の常性であります。高きものはこれをおさえ、ひくきものはこれをあげ、弱きものはこれを助け、強きものはこれをしりぞけ、張るものはこれを屈し、縮むものはこれを伸ばすが、いわゆる天道の平均主義であります。あたかも鉄道の敷設に、高き所はこれを削り、低き所はこれをうずめ、なるべく地平を保たんとすることに似ております。ゆえに余は、天道はなお鉄道のごときかと申しています。