Classiques japonais avec furigana
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おばけのしょうたい
おばけの正体
井上 円了
Lisez おばけの正体 (おばけのしょうたい) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 74 925 caractères · 145 écrans
越えて一日、同字若もの三名、午後十時ごろ同じ場所を通行する折、例の怪しきうめき聞こゆるにぞ、これまた青くなって逃げ帰り、かくと村内へ告げ回る。伝え聞ける人々五十余名、二日夜、各自提灯を携え赴きたるところ、九時までなんともなきより、一同不平だらだら、引き返さんとする折、例の怪しきうなり、盛んに起こる。一同恐ろしさを通り越し、不審の感に打たれ、翌日同所を探検すべく申し合わせて引き上ぐ。
翌朝、村民一同大欅の根元に至り、幹から枝を探り見たれど、老樹にあるべき洞穴さえなく、少しも怪しき筋なく、一同不審の念に打たれながら手を引く。これを聞ける同村軍人分会長ならびに青年会員は、われこそ究めくれんずと、三日の夜、一行二百余名および巡査、区長、そのほか村のおもだち二十余名、おのおのくだんの場所に至り、今か今かと待つうち怪しのうめき聞こゆ。声の発する箇所は根元なりといい、樹上なりといい、十数間はなれて群がる婦女子の耳へは、あたかも木魚のごとく聞こゆという。
一同、どれが本当やらわけがわからず、あっけに取らる。かくて、怪物は九時ごろより午前二時ごろまで盛んにうめき立て、一回二、三百もうなりては二十分ぐらい休み、さらにうめき出す。