Classiques japonais avec furigana
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ちいさこべ
ちいさこべ
山本 周五郎
Lisez ちいさこべ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 480 caractères · 67 écrans
と兼六が云った、「だが茂さん、もうすぐに亡くなった人の三十五日だ、法事だけはするんだろうが、そのときは知らせてもらえるだろうね」
「いや法事もやりません」
「法事もしねえって」と伊吉が云った、「じゃあその」と伊吉は仏壇へ顎をしゃくった、「仏のお骨はどうするんだ」
「このままですよ」と茂次が答えた、「寺へ預けりゃあ経料だのなんだのって金ばかりかかりますからね、源心寺の坊主は妾を抱えて、毎晩なまぐさもので酒をくらってますぜ、坊主なんてたいてえそんなもんだ、そんな坊主に経をあげてもらったって仏の供養にゃあならねえし、妾の手当や酒代をこっちで持ついわれはありませんからね、骨は当分このままにしておくつもりです」
伊吉はものも云わずに立ちあがった。
大六と助二郎が、二人を外まで送っていった。おそらく詫び言を云いにいったのだろう、茂次はおりつを呼んで「飯にしてくれ」と云った。おりつは泣いていたとみえ、眼のまわりと鼻の頭が赤くなっていた。大六と助二郎は戻って来たが、二人ともなにも云わずに、挨拶だけして自分たちの家へ帰っていった。
そのすぐ次の日、茂次は木場の「和七」へでかけていった。