Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちいさこべ

ちいさこべ

山本 周五郎

Lisez ちいさこべ de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 480 caractères · 67 écrans

Aozora Bunko

――帰らなくちゃあならない。

母のためにもすぐ帰ることにしよう、茂次がそう思っていると、大六が戻って来た。

「若棟梁、あっしは江戸へいって来ます」と大六が云った、「いや、あっしのほうがいい、若棟梁は残っておくんなさい」

「どういうことなんだ」

「詳しい事情はわからねえが、おまえさんのことだからはっきり云っちまう」と大六はまともに茂次をみつめながら云った、「――棟梁もおかみさんも、いけなかったらしい」

茂次はぼんやりと大六を見、それから、舌がきかなくなりでもしたような口ぶりで、「おふくろも」と訊き返した。

「なんと云いようもねえが」と大六は眼を伏せた、「そういうわけだから、ここはあっしがいくほうがいいと思う。若棟梁はそれからにしたほうがいいと思うんだが」

茂次は黙っていた。大六は暫く待っていたが、茂次は身動きもしなかった。

「若棟梁」と大六が呼びかけた。

茂次は黙っていた。

「若棟梁」と大六は云った、「おまえさんしっかりしてくれなくちゃあ困りますぜ」

すると茂次は、とつぜん顔をあげて、どなった、「うるせえ、てめえこそしっかりしろ、おやじもおふくろも死んだとすれば、あと始末に手ぬかりがあると大留の名にかかわるぞ、そいつを忘れずにしっかりやって来い」