Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
Lisez へちまの木 (へちまのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 120 caractères · 58 écrans
明くる朝、文華堂の記事部屋で、房二郎は蒼い顔をして、水ばかり飲んでいた。
「宿酔かい」と木内桜谷がにやにやしながら云った、「房やんはあまり強くはないんだな」
「ゆうべはどのくらい飲んだのかな」
「おれの知っている限りじゃあ二合とちょっとだったぜ、そのあとは知らねえがね」
「うーん」房二郎は唸った、「どこで別れたのかね」
「おまえさんはむちゃだよ」木内はせっせと筆を動かしながら云った、「一杯飲むとすぐにどこかへいこう、と云ってきかねえんだ、五軒か六軒まわったかな、こっちが疲れちまって、小網町で別れたよ」
房二郎はぎょっとしたように振り向いた、「小網町だって、まさか沢茂じゃあねえだろうな」
「それが沢茂さ」
「冗談じゃあねえぜ」
「どうしてもゆくんだってきかねえんだ、こんどはおれが刺身のかなっけをためしてやるんだってな」
「冗談じゃねえ、総毛立つぜ」房二郎は首をすくめた、「それで刺身を食ったのか」
「なんにも食わなかったよ」木内はまたにやっと笑った、「五つ品ぐらい注文したかな、みんな箸で突つくだけで、なにか文句ばかり云っていたようだぜ」
「ぞっとするね、ひでえもんだ、おらあ本当は酒はだめなんだ、婿の縁談が始まってから、やけくそになって飲みだしたんだが、盃で五つも飲めばぶっ倒れるほうさ」