Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
Lisez へちまの木 (へちまのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 120 caractères · 58 écrans
「卵粥が出来ててよ」
房二郎はけげんそうな眼をした、「へえー、どうして」
「酔ったあとにはあれがお好きなんでしょ」
「そんなことを云ったかな」
「仰しゃらなくったってわかるわよ」と云っておるいは立った、「さあお起きなさい、半插へお湯を取っておくわ」
文華堂の前で、売り子の段平と会った。瓦版をひと重ね左の手に、古扇子を右手に持っていた。饅頭形の編笠をかぶり、尻端折りをした布子の下に、ほっそりした紺の股引をはいた脚が、いかにもいなせなように見えた。
「ゆうべは世話になったな」と房二郎が云った、「だいぶ散財させたんじゃないのか」
「なあに、顔馴染の店ばかりでね」と段平は苦笑いをした、「銭なんか使やしねえ、あるとき払いときまってるんだ」
房二郎は財布の中から幾らか出し、足りないだろうが割前に取っておいてくれ、と云って段平に渡した。そして段平が断わろうとするのを遮って、ゆうべはどこで別れたかときいた。
「お宅の前でさ、あんまり酔ってたから送ってったんでさ」と段平が云った、「なにかあったんですか」
「厄介をかけて済まなかった」と彼は云った。
記事部屋へあがると、木内桜谷が向う鉢巻をし、机に向かって、例のとおり酒を飲み飲み、いさましく筆をはしらせていた。