Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
へちまのき
へちまの木
山本 周五郎
Lisez へちまの木 (へちまのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 120 caractères · 58 écrans
おそでがまたなにか投げつけた。文華は襖をあけて逃げだし、廊下へ平伏した。あいにくなことに、女中が掃除したばかりだろう、こっちの記事部屋の障子がまだあけたままなので、平つく這った文華の、痩せた小さな、貧相な姿はまる見えだった。
「このとおりや」と文華は廊下へ額をすりつけた、「泊ることはつきあいで泊ったが、おなごと寝たりなんぞしやへん、それは誰にきいてみてもわかることや、な、堪忍して、このとおりや堪忍して」
「岡場所みたいなとこへ泊って、おまえが女も抱かずに寝る男か」
「ほんまのことやて」と文華は云い張った、「自分でもなぜかいなあと思ったくらいや」
おそでがきーっと叫び、またなにかを投げた。それは湯呑茶碗で、廊下へ叩きつけても割れず、記事部屋までころげて来た。文華は堪忍や堪忍やと云いながら、平つく這ったまま、頭を上げたり額を廊下にすりつけたりした。ばったのようにという表現を絵にしたような感じで、房二郎はどうにも見ているに耐えず、立ちあがって、刷り部屋から廊下へ出、階段をおりて店へいった。そこへ木内桜谷がはいって来たので、彼は眼くばせをし、二階を指さして頭を振った。