Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

へちまのき

へちまの木

山本 周五郎

Lisez へちまの木 (へちまのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 120 caractères · 58 écrans

Aozora Bunko

「ねえこたあねえさ、小旗本へ婿にいった叔父が本所にいるよ」と房二郎が云った、「本所の相生町で、土屋っていうんだがね」

「その人に頼んで、桜田小路へ帰るんだな、それがいちばんだよ」

「そんなとこへ腰掛けちゃあだめだ、木内さんのうちはもうすぐそこだぜ」

木内桜谷は道傍の古材木に腰を掛け、低く垂れた頭を、ぐらぐらと力なく左右に振りながら云った、「おらあうちへは帰れねえんだ」

「ばかなことを云いなさんな」

「今日、私はちょび髭の前で四つん這いになった、池さんはさぞ軽蔑したこったろう、人間の屑、卑しい野郎だと思ったことだろう」

房二郎はなにも云わなかった。

「けれどもな、池さん」と木内は頭を垂れたまま続けて云った、「あのときもし、ちょび髭にちんちんをしろと云われたら、おらあ犬のようにちんちんでもお廻りでもするつもりだったんだ」

「どういうことだい、それは」

「女房を呼んだんだ」と木内は云った、「西川のやつが来月から手当を増して呉れるというんで、箱根から女房を呼んだんだ」

房二郎は腕組みをした。寒い夜風が吹きわたり、腰掛けている木内桜谷の着物の裾が捲れて、痩せた細い脛のあらわになるのが、暗がりの中で、さむざむと見えた。