Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Lisez パンドラの匣 (パンドラのはこ) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 644 caractères · 386 écrans

Aozora Bunko

廊下では、みんながやがや騒いでいる。

「明日の試験は何だい?」

「遠足の試験だい。骨が折れるぜ。」

「お菓子に気をつけろってんだ。」

「おれぁ、相撲部じゃねえよ。」これは、木村らしい。

「二十五円の靴だってさ。」

「お酒飲んで、それから紅葉を見に行こうよ。」これも、木村らしかった。

「お酒でたくさんだい。」

「進、パスしたぜ。」これは、お兄さんの現実の声であった。枕もとに立って、笑っている。「見事合格って、木島から電報が来たぜ。」僕は、一瞬、なんだか、ひどく恥ずかしかった。兄さんから、電報を受け取って見ると、ミゴトゴウカク」バンザイと書かれてあった。いよいよ恥ずかしかった。自分のささやかな成功を、はたから大騒ぎされるのは、理由もなく、恥ずかしいものだ。みんなが僕を笑っているような気さえした。

「木島さんも、おおげさだなあ。バンザイだなんて、ばかにしてるよ。」と言って、僕は蒲団を頭からかぶってしまった。他に、どうにも恰好がつかなかったのである。

「木島も、しんから嬉しかったのだろう。」兄さんは、たしなめるような口調で言っている。「木島にとっては、R大学だって、眼がくらむくらい立派な大学なんだ。