Classiques japonais avec furigana
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ロザリオのくさり
ロザリオの鎖
永井 隆
Lisez ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) de 永井 隆 (ながいたかし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 351 caractères · 213 écrans
誠一が執行官となり、おごそかに水殺の刑に処した死がいを隣のねこに進呈した。
三日目の夜もう一匹取れた。ろうそくの火に照らされ今夜の奴はとてもあわてた。逃げようとしてむちゃくちゃにあせっている。右にとび、左にかえり、ぶっつかる先々の金網の目の中へとんがり鼻を突っ込んで、こじるものだから、鼻の頭はいつしか血まみれになった。それでもなおあきらめず、上へとびあがり、底をさがし、はてはところきらわず、金網にかじりついてかみ切る気である。見ていてとても面白い。ろうそくの短くなるのも気にかけず飽かず眺めた。ねずみはいよいよあせり狂う。歯も折ってしまった。いのち惜しさに恥も外聞もない。私はしだいに腹を立ててきた。見苦しいぞっとどなった。この前のねずみは、とても助からぬと知るや、泰然自若として運命を待った。小さいながらその姿は私を威圧するものをもっていた。私は軽い恐れをさえ感じて、誠一のくしゃみをよいしおに引き下がったのだった。それだのに、こやつのざまは何だ。見苦しくて、見るさえ目の汚れになるようだ。
「今すぐ、やっつけてしまえ!」
私は誠一に言いつけた。
「どうしようか?」