Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ロザリオのくさり

ロザリオの鎖

永井 隆

Lisez ロザリオの鎖 (ロザリオのくさり) de 永井 隆 (ながいたかし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 351 caractères · 213 écrans

Aozora Bunko

──父は家を出ると大社の近くの医院に書生に住みこみ、玄関番、薬局係、診察や手術の助手、往診のカバン持ちを一手に引き受け、夜に先生の医書を借りて勉強をする。夢中になって本を写しているまに夜の明けることもしばしばだったという。農業で鍛え上げた体だったからそれが続いたのだろう。父はそれから松江へ出て、当時山陰第一の名医と言われた田野医学士の産婦人科病院の書生になった。ここでも昼は医院の雑役にまめまめしく立ち働き、夜は先生の蔵書を写しては勉強したが蔵書の豊かであったことが、どれだけ父の頭を肥やしたかしれない。田野病院では今でも永井の勉強と言い伝えられているから、よほど猛烈な勉強ぶりだったろう。わずか四年の独学で、医師開業試験を前期、後期いっしょに通ってしまったのだから──。

父はそれから三年ほど田野病院にお礼奉公をした。その間に結婚をし、やがて私がそこの代診部屋で生まれた。二十八歳のとき、故郷の村の隣村、ひの川をさらに三里下って、スサノオノミコトとイナタヒメとが新婚家庭をもった村から招かれて、そこへ移って開業をした。その飯石村──家の庭へいのししが遊びに来たり、森にさるがおり、きつねが鳴く、神話時代と文化の程度のあまり変わらぬ山の中で二人の若い医師夫婦がどんな仕事をしたかは、またしみじみとした一つの話になる。