Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ヴィヨンのつま
ヴィヨンの妻
Lisez ヴィヨンの妻 (ヴィヨンのつま) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 363 caractères · 112 écrans
かかのお酌でなければ、俺は飲まん!」私は一種奇妙な心持がした。別に私は、そんなに彼に飲ませたいと思ってもいないのに。「もう俺は飲まんよ。かかを連れて来い! お前が連れて来なければ、俺が行って引っぱって来る。かかは、どこにいるんだ。寝室か? 寝る部屋か? 俺は天下の百姓だ。平田一族を知らないかあ」次第に酔って、くだらなく騒ぎ、よろよろと立ち上る。
私は笑いながら、それをなだめて坐らせ、
「よし、そんなら連れて来る。つまらねえ女だよ。いいか」
と言って女房と子供のいる部屋へ行き、
「おい、昔の小学校時代の親友が遊びに見えているから、ちょっと挨拶に出てくれ」
と、もっともらしい顔をして言いつけた。
私は、やはり、自分の客人を女房にあなどらせたくなかった。自分のところへ来た客人が、それはどんな種類の客人でも、家の者たちにあなどられている気配が少しでも見えると、私は、つらくてかなわないのだ。
女房は小さいほうの子供を抱いて書斎にはいって来た。
「このかたは、僕の小学校時代の親友で、平田さんというのだ。小学校時代には、しょっちゅう喧嘩して、このかたの右だか左だかの手の甲に僕のひっ掻いた傷跡がまだ残っていてね、だからきょうはその復讐においでなすったというわけだ」