Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ヴィヨンのつま
ヴィヨンの妻
Lisez ヴィヨンの妻 (ヴィヨンのつま) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 363 caractères · 112 écrans
あの男は、俺の事なら何でも知っている。鉄砲撃ちの平田と言えば、この地方の若い者は、絶対服従だ。そうだ、あしたの晩、おい文学者、俺と一緒に八幡様の宵宮に行ってみないか。俺が誘いに来る。若い者たちの大喧嘩があるかも知れないのだ。どうもなあ、不穏な形勢なんだ。そこへ俺が飛び込んで行って、待った! と言うのだ。ちょうど幡随院の長兵衛というところだ。俺はもう命も何も惜しくねえ。俺が死んだって、俺には財産があるんだからな、かかや子供は困る事がない。おい、文学者。あしたの晩は、ぜひ、一緒に行こうじゃないか。俺の偉いところを見せてやる。毎日、こんな奥の部屋でまごまごしていたって、いい文学は出来ない。大いに経験をひろくしなければいけない。いったい、お前は、どういうものを書いているのだ。うふふ。芸者小説か。お前は苦労を知らないから駄目だ。俺はもう、かかを三度とりかえた。あとのかかほど、可愛いもんだ。お前は、どうだ。お前だって、二人か! 三人か! 奥さん、どうです、修治は、あなたを可愛がるか? 俺は、これでも東京で暮した事のある男でね」
甚だ、まずい事になって来た。私は女房に、母屋へ行って何か酒のさかなをもらって来なさい、と言いつけ、席をはずさせた。