Classiques japonais avec furigana
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しげき「すいせんともくぎょ」
三好十郎の仕事 別巻
三好 十郎
Lisez 三好十郎の仕事 別巻 (しげき「すいせんともくぎょ」) de 三好 十郎 (みよしじゅうろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 220 145 caractères · 440 écrans
いや、胸の中が苦しけりゃ苦しい程、百姓仕事に打ち込んで働らくことで、その苦しさをこらえようとしていたとも言えやす。だもんだから、金吾の家の農事はグングンとうまくいきやしてね、田地も山林が二町歩、畑や田圃を合せて二町歩の上にもなりやして、ことに高原地の水田にかけちゃ、ここらきってのいい百姓になりやして、県や郡から賞状をもらったり、しまいには国から勲章も二つばかりもらいやした。それやこれや、金吾の家にも嬉しいことの一つや二つはその間もありやしてね……これはその一つで、現在の金吾のあの家が建ちあがった年のことを、俺あはっきり覚えていやす。あれはなんでも昭和に入ってしばらくした出来秋のことだ。そうだ、海尻の喜助とお豊さんのことは御存じでやすね。喜助はその後、大工の頭梁で堅気で稼いできた、面白い気性の男でやして、あそこのお豊さんが、もと若い頃、金吾の嫁になりたがっていたことがあってね、それがつい、金吾が春子さんのことがあって嫁をとる気がねえもんだから、まあ諦めて喜助ん家へかたづいたんだが、その後あの夫婦と金吾も、わしも仲よくやって来やした。そんな関係で、金吾がまあ自分はこうやってせっせと百姓やって、田地も五六町出来た、しかし女房をもたねえから後をゆずる子供がねえ、その後とりに、お豊さんの生んだ息子を養子に呉れと言い