Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょうひんよっつ
中勘助随筆集
中 勘助
Lisez 中勘助随筆集 (しょうひんよっつ) de 中 勘助 (なかかんすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 694 caractères · 32 écrans
断片。蒼白い死の色の漂うなかに鉢植えの頭の花ばかりが燃えさかる生の色をめざましく日光に耀かしている。
断片。きのう耳下腺のあたりが脹れる痛みで悩んでた母は脹れてしまったきょうは痛みもなくらくらくとしてまたみみずく顔になった。ぶくぶくしたところに皺がすいすいとよっている。ぱちっとあいた切れの長い目。赤ん坊みたいにあいた歯のない口。私はいわば幾十年このみみずくにあこがれ、待ちこがれたのである。
断片。けさは気嫌のいい笑顔をみせたそうだ。私は寐坊をしたためにそれを見そこなってしまった。夕がたの診断によるとあと一両日だろうとのことだ。もう見られないかもしれぬ笑顔だったものを。冷たい手を自分の温い手のあいだに挟んでたらなにかいいたい様子なので耳をよせる。あした というだけがやっとききとれた。あした死ぬというのかもしれない。
夜。母の眠ってるひまに茶の間で兄と碁を打ってるとき目をさましたという知らせがきた。碁を崩してゆく。顔を近づける。切れぎれに細ぼそと あした といった。それから先は声がつづかないのだ。なぜか「あした」にこだわっている。あしたは死ぬ だろうと思う。