Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぼうれいホテル

亡霊ホテル

山本 周五郎

Lisez 亡霊ホテル (ぼうれいホテル) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 706 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

惨劇の部屋

惨劇の部屋

伊藤豊治青年が洗面を済まして着換えをしているところへ、制服を着た給仕が朝の珈琲を運んで来た。

「お早うございます」

「ああお早う」

「好くお寝みになれましたか」

伊藤青年はネクタイを結びながら、給仕の支度する珈琲の卓子に向って掛けた。――あまり機嫌の好い顔つきではない。

「よく眠れなかったよ君、一体この向うの部屋にはどんな客が泊っているんだい? ひと晩中へんな音をたてたり妙な声をしたり、実に閉口したぜ」

「向うの部屋と申しますと?」

「廊下の向うさ、この翼屋で、向うと云えば此室と廊下の向うと二部屋しか無いじゃないか」

給仕はなにか思い当る事があるらしく、サッと顔色を変えながら眼を外らした。

伊藤豊治は九州大学の工科研究室に籍のある研究生で、恩師の鹿谷弘吉博士が、或る研究報告をするため上京した後を追って、その助手を勤めるために昨夜東京へ着いたのである。――ところがこのホテルへ来てみると、博士は研究上の用務を帯びて仙台へ出張したということで、伊藤青年はゆうべ独りでホテルへ泊ったのであった。

彼の泊った部屋はホテルの翼屋で、そこには廊下を隔てて二つの部屋が向い合っている。