Classiques japonais avec furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans
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おいよ まあ、見付けられないで好かった。こうなったらもう一刻も猶予は出来ない。
(おいよはそこらの小石を拾いて袂に入れる。そのあいだに、下のかたよりホルトガルの宣教師モウロ、四十余歳、旧教の僧服をつけ、頚に十字架かけて出で来り、柳の木かげに身をよせて窺いいると、おいよはやがて合掌して川へ飛び込もうとする。モウロは駆け寄って抱きとめる。)
モウロ お待ちなさい。あなた、どうしますか。
おいよ (身を藻掻く。)放して下さい、放してください。
モウロ あなたは身を投げますか。いけません、いけません。
おいよ いいえ、放して……。殺して……。
(おいよは振放して飛び込もうとするを、モウロは又ひき戻せば、力余っておいよは地に倒れる。)
モウロ 殺すことはなりません。神さまのお指図です。
(モウロは両手を拡げて、おいよを遮る。おいよは相手が異国人なることを覚って、倒れながらにその顔をみあげる。薄月の影。水の音。)
――幕――
第二幕
一
第一幕とおなじ宵。
村はずれの一つ家。久しく空家となりいたれば、家内はすべて荒廃したりと知るべく、家内の大部分は土間にて、正面に古びたる板戸の出入口あり。