Classiques japonais avec furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lisez 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 203 094 caractères · 411 écrans
その物すごき形相に、お妙はぎょっとして飛び退く。)
お妙 あれえ。
(お妙は逃げんとすれど、身が竦みて容易に動き得ず。おいよは両手を地につきて、餌を狙う狼のようにお妙をじっと睨む。)
お妙 (声をふるわせる。)もし、姉さん。わたしです、お妙です……。なんだか俄に様子が変って……。おまえは一体どうしたのです。もし、姉さん……。
(おいよは答えず、低く唸りながらお妙の方へ這うようにじりじりと進み寄る。)
お妙 それでは宵に聞いた通り、お前には怖ろしい狼が乗り憑ったのか。よもやと思っていたが、やっぱり本当であったのか。それにしても妹のわたしを……。もし、お願いです。助けてください。
(お妙はようよう立ち上りて、表のかたへ逃げ出そうとすれど、木戸には錠をかけているので直ぐには開かず。そのあいだに、おいよは眼を嗔らせて、今にも飛びかかりそうに詰めよる。お妙は途方にくれ、引返して上のかたにそろそろと逃げ行けば、おいよはそれを付け廻すように、下のかたより上のかたへ向って又じりじりと詰め寄る。)
お妙 (必死になって叫ぶ。)もし、誰か来て下さい。助けてください。姉さんが狼に……。