Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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なにがわたしをこうさせたか

何が私をこうさせたか

金子 ふみ子

Lisez 何が私をこうさせたか (なにがわたしをこうさせたか) de 金子 ふみ子 (かねこふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 571 caractères · 383 écrans

Aozora Bunko

言うまでもなく私は、甲州のこの田舎につれて来られなければならなかった。けれど、そこが私の真の休息所であろうとはどうして考えられよう。村を見、叔父を見ると、一層私は憂鬱になった。

叔父は私の姿を見ると打ち下す鍬を止めた。

「叔父さん、とうとう帰って来ました……かんにんして下さい、私がわるいんです」

やっと私はこう挨拶することができた。私はもう泣いていた。

「何、いいんだよ、ふみ、何もかもわしは察している」

ふだん黙り勝ちな、むっつりやの叔父は、滅多に笑うことを知らない顔に微笑みをさえ浮べて、慰めてくれた。鍬を杖に、懐しげに私を眺めて、叔父はまた言った。

「何も泣くにゃ及ばん。しばらく会わなんだ間に随分と大きくなったなあ。それだけ成人すりゃ何とでもなる、心配するこたあない」

家に帰ればどんなに叱られるかわからないと、心配しいしい帰って来たのだ。だが、叔父は叱るどころか、情愛と祝福の手をさえさしのべてくれた。肩の重荷が急におろされたような喜びが私に来た。「やっぱりここがほんとうの家なのだ」と私は思った。

叔父は仕事をやめて一緒に家へ帰ってくれた。叔母は台所で昼食の用意をしていた。