Classiques japonais avec furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lisez 光は影を (ひかりはかげを) de 岸田 国士 (きしだくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 262 caractères · 276 écrans
どうせ万事が板につきやしないわ。第一、物珍しそうに……不潔だわ」
多津がむきになつて、顔をしかめるのを、彼は笑つて、
「不潔つてこともないだろうが、まあ、そういう大人がいて、コントロールしてくれゝば、大した間違いはあるまい」
こういうと、多津は、
「ところが、兄さん、それだけじや、すまないのよ。こないだも、奥多摩へピクニックするんだつて、その仲間と一緒にでかけたのよ。それがどう、ポータブルなんか持つて……原つぱで踊つたらしいのよ」
「まあ、まあ、お前は、そんなこと心配するなよ。お母さんをみろ、ちやんと覚悟をきめてござるよ。お父さんは、まさか、そんなこと知るまいなあ」
すると、母は、お父さんと聞いただけで、身ぶるいをし、
「それだけは、後生だから、お父さんのお耳にいれないでおくれ。どんなことになるか知れたもんじやない」
母の気持はそれに違いないが、彼は、そういう母があわれでしようがなかつた。
「誰もお父さんになんぞ言やしませんよ。だけど、お父さんも案外、腹をきめてるかも知れませんよ。少くとも、それぐらいは大胆に見るんじやないかなあ。そうでしよう、お父さんは、もう二度失敗してるんですからね。