Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Lisez 光は影を (ひかりはかげを) de 岸田 国士 (きしだくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 262 caractères · 276 écrans
そうするより仕方がないもの。お父さんは、あの部屋、明けられないだろう」
と、弟の深志が、だしぬけに言いだした。
「うむ、いや、別に明けられんこともないが、あの山のような荷物をどこへ始末するかだ」
父は座敷は客間としてだけ使いたい平生からの意向で、自分が居間にしている次の間を明け渡すのが、すこし億劫らしかつた。
「山のようなつておつしやるけど、たいがいお使いにならないものばかりでしよう。物置をちよつと広げればなんとかなりますよ」
「それや、そうだ。もう一と間ほしいな、この家も……」
「あたしだつて、一人のお部屋ほしいわ」
と、下の妹、真喜が甘えるように言つた。
「贅沢言えばきりがないさ。そんなら、あたしのお部屋は、いつたいどこ?」
母が、あつさりとたしなめる。
「母さんは、家全体がお部屋みたいなもんよ」
「うまいことを言う」
父がほめた。
で、結局は、物置の建て増しをするまで、弟と一緒にということになる。
その間、始終、黙つて、話題に無関心な風をみせていたのは、上の妹の多津であつた。京野等志は、さつきから、この年頃をすぎた妹の存在と、なにか神秘めいた影を匂わせている表情とが頭にこびりついていた。