Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
とはいえ、敵のコップを叩き落した三谷青年は、みじめに助けられた相手に比べて、二段も三段も男を上げた。昔の騎士の物語にでもある様な、目ざましい行いだ。岡田はそれが口惜しかった。年長の彼にしては忍び難い恥辱に相違なかった。
だが、彼はあくまで「やり直し」を主張する勇気もなく、気拙い顔で沈黙してしまった。屈辱と命と天秤にかけて見て、やっぱり命の方が惜かったのであろう。
その時、廊下の奥の部屋の中で、カタンという音がした。
決闘者達は彼等の勝負に夢中になって、少しも気づかなかったけれど、さい前から、その部屋の次の間の襖の蔭で、彼等の対話を立聞きしていた人物がある。その人が今隠れ場所を出て、部屋の真中へ歩いて来たのだ。
柳倭文子! それは彼等の恋人の目映いばかりあでやかな姿であった。
柳倭文子。
アア、この人の為ならば、三十六歳の岡田と、二十五歳の三谷青年とが、今の世にためしない、不思議千万な決闘を思い立ったのも、決して無理ではなかった。
地味な柄の光らぬ単衣物。黒絽の帯に、これだけは思い切て派手な縫い模様。上品でしかも艶やかな襟の好み、八つ口の匂い。本当の年は三谷青年と同年の二十五歳だけれど、その賢さは年よりも遙かにふけていても、その美しさあどけなさは二十歳に満たぬ乙女とも見えるのであった。