Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

しかも、ドアが開いていたのを見れば、彼は少くとも一度は、この部屋に入ったものに相違ない。

で、それからどうしたのか。彼もまた、小川の死骸と同じ径路をたどって、どこかへ消えてしまったのではあるまいか。

老人は丹念に、隅々を探し廻った上、どこにも、明智は勿論、その死骸さえも隠されていないことを確めると、小首をかしげながら、部屋を出る為にドアの所まで歩いて行った。

すると、丁度その時、またしても、パッと電燈が消えた。廊下からの淡い光りが僅にドアの傍らを照らしているばかり、老人の背後は、襲いかかる様な暗闇である。

電燈のスイッチは、ドアのすぐ横手、老人の視野の中にあったのだから、誰もそれに手を触れなかったことは、確だ。つまり電燈は、お化けの様に、ひとりでに消えたのだ。

斎藤氏は、思わず振返って、暗闇の中の、見えぬ敵に対して、身構えをした。

「誰だ、そこにいるのは、誰だ」

誰も居る筈はなかったけれど、薄気味悪さに、老人は呶鳴って見ないではいられなかった。

ところが、その声に応じて、まるで老人が悪魔を呼び出しでもした様に、広い暗闇の中に、人の気配がした。すかして見ると、向うの窓の前を、煙みたいな人影が、スーッと横切った様に感じられた。