Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

「その時、あの空家の戸棚の中で、たべあましのビスケットとチーズを発見したのです。ビスケットの上にチーズを重ねて、かじったもので、それにハッキリ歯型が残っていたのを、ソッと持帰って、石膏の型にこしらえたのです」

「しかし、それが賊の歯型というのは……」

「あの家は、二ヶ月以上も空家になっていたのですから、他にそんな所へ食べ物を持込むものはありません。倭文子さんも茂君も、賊にビスケットとチーズを、度々勧められたけれど、幽閉されている間、何ものも口にしなかったといっています。その言葉によっても、賊のたべあましであることは確かです。それが彼等の食料だったのです」

あの時、明智はその発見について、同行者の三谷にさえ何事もいわなかった。ただ、妙ななぞみたいな独言をしたばかりだ。なぜ三谷に隠さなければならなかったのか、明智が無意味に隠し立てをする筈はない。何かそこに特別の事情があったのではなかろうか。

「すると、つまりこれは、賊かその相棒か、どちらかの歯型ですね。あの時空家には、二人の奴がいた筈だから」

恒川警部は、やっと明智の説明を理解した。

「そうです。しかし、それが岡田道彦の歯型とも、品川湾で溺れた小説家の歯型とも一致しないとすれば、奴等はまだどこかに生残っているのです。