Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

アア、そういう内にも、火は既に棺の底を焼抜いて、真赤な焔がチョロチョロと倭文子の着物の裾をなめ、むせ返る煙に、母も子も早や叫ぶ力さえなくなってしまった。

生地獄、本当に生地獄だ。

誰がした訳でもない。倭文子が殺人罪を犯した。それを恋人の三谷青年が、機智を働かせて、棺桶という絶好の隠れ簑で、邸から逃がしてやった。一つ間違えば、この様な焦熱地獄が待構えていようとは、当の倭文子は勿論、三谷さえもつい気づかないでいたのだろう。

斎藤老人を殺したといっても、倭文子自身では、まるで知らない間に起ったことだ。過失とでも何とでも、弁解の道はあろうものを、ただ裁判所恐ろしさ、牢獄恐ろしさ、逃げ隠れをしたばっかりに、絞首台よりもっとむごたらしい、焦熱地獄へ落込んでしまった。運命というものの恐ろしさだ。

だが、三谷も三谷である。折角苦心を重ねて逃がしておきながら、今になっても何の音沙汰がないとは、一体どうしたというのだろう。

若しや、倭文子の恐ろしい疑いが当って、三谷こそ、世にも憎むべき悪魔ではなかったか。彼は先の先まで考えて、彼女に、この焦熱地獄の苦しみを与える為に、棺桶のトリックを案じ出したのではなかろうか。