Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
「あたし、みんないってしまいますわ。聞いて下さる。アア、いっそのこと、今からすぐ、あたしのうちへいらっしゃらない? そして、あたしの可愛い坊やを見て下さらない? それがいいわ、それがいいわ」
倭文子は、異様な昂奮に上気した頬を、流れる涙も意識しないで、フラフラと立上ると、青年の意向を確めもせず、いきなり柱の呼鈴を押した。
間もなく、二人は何が何だか分らない、気違いめいた気持で、自動車のクッションに膝を並べていた。
三谷は「そんなことで、僕の心が変るものですか」といわぬばかりに、じっと倭文子の手を握りしめていた。
二人とも一言も口を利かなかった。だが、頭の中では、錯雑した想念のアラベスクが、風車の様に廻転していた。
三十分程で、車は目的地に到着した。降り立った二人の前に、広い石畳と、御影石の門柱と、締め切った透かし模様の鉄扉と、打続くコンクリート塀があった。
門柱の表札には、案の定「畑柳」と記されていた。
通されたのは、落ついた、併し非常に贅沢な飾りつけの、広い洋風客間であった。
大きな肘掛椅子の掛け心地は悪くなかった。三谷の椅子の真向うに、深々とした長椅子があって、派手な模様の天鵞絨クッションを背に、丸い肘掛へ、グッタリと凭れかかった倭文子の、匂わしき姿があった。