Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

晩秋の十日間では、まだ形がくずれる程腐爛はしていない。だが、腐爛よりも、うじ虫よりももっと恐ろしい現象が、二つの死体に起っていた。

そこには、二人の巨人が、二人の角力取りが、丸くなって重なっていたのだ。

一人の方の腹部へ、梯子の足が食い入って、その部分が三寸程もくびれて見える。まるで飴細工のタヌキみたいな太鼓腹だ。

死体膨脹の現象である。内臓に発生したガスが、非常な力で、死骸をゴム風船みたいに、ふくらませてしまったのだ。

顔なども、しわがのび、毛穴が開いて、巨人国の赤ん坊の様に、はち切れ相にふくれ上っている。

「これが小川だな」

服装によって、その人と推察出来る。

警部は次に、もう一人の死骸の顔にヒョイと目を移したが、一目見るなり、あまりのことに、さすがの彼も「ギャッ」と叫んで、思わず梯子を駆け上ろうとした。

警部が驚いたのも無理ではない。

そこにふくれ上っていた、もう一つの死骸は、決して未知の男ではなかった。イヤ未知どころか、忘れようにも忘れることの出来ない、今度の事件の大立物が、みじめにも、風船玉のような巨体を、そこに横たえていたのだ。

警部は品川湾で、一度そいつに出会したことがある。