Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Lisez 吸血鬼 (きゅうけつき) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 554 caractères · 381 écrans
昼の様に明るい月の光り、どこに一ヶ所、身を隠す場所とてはないのだ。
いや、もっと確なことは、今しも横丁の向うから、ブラブラこちらへ歩いて来る通行人。近所の人と見えて、帽子も被らず着流しの散歩姿だが、その呑気らしい様子が、怪物と行違った人とは思われぬ。
「オーイ、今そちらへ走って行った奴はありませんかア」
一人の巡査が大声に尋ねると、その男は、驚いて立止ったが、
「イイエ、誰も来ません」
と答えた。
警官達は、変な顔をして、両側の高いコンクリート塀を見上げた。
何の手掛りもなく、一丈もある塀を、よじ昇ることは不可能だ。それに、警官達は知らなかったけれど、片足義足の怪物に、そんな芸当が出来る筈はない。
どんな恐ろしい姿にもせよ、目の前に見えている内は、まだよかった。それが白々とした月光の下で、煙の様に消失せてしまったと思うと、俄にゾッと気味が悪くなった。
妖術だ。悪魔の妖術だ。
だが、今の世に、そんな馬鹿馬鹿しいことがあるだろうか。
「ア、あんた、一寸待って下さい」
恒川警部は、さい前の通りがかりの人が、すれ違って行くのを呼びとめた。
彼は実に変なことを考えたのだった。