Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のろいのダイヤモンド

呪の金剛石

野村 胡堂

Lisez 呪の金剛石 (のろいのダイヤモンド) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 393 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

フィナレ

フィナレ

引っ返して仮橋の袂から一隻の船を雇い、呉越同舟に洋装の婦人を交えて三人、大廻りに漕がせて、物をも言わずに崖の下へ駆け付けたのは、それから四五十分ほど後の事でした。

西洋人も男の児も、とうにこと切れて、最早手当の施しようもありません。三人手を分けて、死骸の付近から、海の中まで手の届く限り探して見ましたが、多分海の中へ転げ込んだものでしょう、宝石らしいものは何処にも見えません。

「アア、到頭。……」

洋装の女は、精も根も尽き果てたように、岩の上に腰を下して、美しい瞳に、荒れ模様の海をつくづく眺めて居ります。

「何も彼もおしまいですね」

私ははじめて声をかけました。宝探しに夢中になるにしても、あまりに気高いこの婦人は、反ってこう、荒れ模様の海を背景に劇的な感慨に耽るにふさわしい人柄でした。

「私は帝国新聞の千種十次郎というものです。途中から入って来て、飛んだお邪魔をしましたが、私はあの宝石を手に入れるというよりは、新聞記者として宝石にまつわる因縁が知り度かったのです。もしお差支が無かったら、何も彼も説明して頂けませんか、あの宝石は何んという宝石か、どうして多数の人があの宝石の為に争ったか……」