Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よるのこうず
夜の構図
織田 作之助
Lisez 夜の構図 (よるのこうず) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 62 068 caractères · 125 écrans
途端に、
「あ、須賀さん!」
と、冴子の声が来た。やはり来た。
「――おはいりになりません?」
これも予想通りだった。が、あまり予想通りだったことが、信吉をふと寂しくさせた。われながらいや気がさすくらいだった。情けなかった。
傘の中にはいると、
「この劇、映画になるんですってね」
「へえ? そうですか」
わざと驚いてみせた。
「おききになりませんの」
「いや、さっき一寸そんな話出てたが……ところであなたはどこまで……?」
「本郷ですの」
「じゃ、三原橋まで着せていただけるわけですね。僕、新橋ですから、三原橋で……」
「第一ホテルですって……?」
「ええ。よく知ってますね」
「楽屋中で評判よ」
「えっ?」
信吉はどきんとした。ホテルでのことを全部知られたのか。
「須賀さん、どこに泊っていらっしゃるだろうって、楽屋の老嬢連、ひどく関心持ってたわ」
信吉はほっとした。
「――もう綽名までついていますわよ」
「煙突……?」
ノッポだった。
「いいえ、芥川龍之介」
「へえ――?」
「若くって、才人で、スタイルがよくって……いや、眼よ、眼よ。眼が似てるのね」
「何にしろ、芥川龍之介が生きておれば僕に決闘を申し込むでしょう」