Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Lisez 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 314 caractères · 398 écrans

Aozora Bunko

どうして、こんなところへ。ああ、あれからあれ、あれまでは確かであった。あれから刀を抜いて……さてあの小女はどうした。間毎間毎を荒れ廻って、そうして庭へ下りた、大勢に囲まれた、幾人か切ったに相違ない、血もついている、それから鉄砲という声が聞えたようだ、それを聞くと庭の大きな松の樹にかけ上った、飛び下りたのは内か外か、それから闇を駈けて駈け廻った――竜之助は今や正気に復して、昨夜来のことを朧ろに辿って行ってみると、さあ、芹沢との約束だ!

遅い、遅い、もう夜明けだ、芹沢との合図はまるで滅茶滅茶。

「やむを得ん、是非がない」

竜之助は呟いた。ともかくも夜の明けぬうちに何とかせねば――幸い、ここは人目に遠いところではあるけれど、このなりではどこへも行けない。

向うから人が来るようだ。

この篠藪の裏は堤、それを伝うて人の草履の音が聞える。

竜之助は、その人を待っている。

その人は提灯を持っていたけれども、夜明け間近の空で灯は入れていなかった。

「もし」

竜之助は篠藪をかき分けて、のたり出ながら言葉をかける。

「はい」

通る人の声は慄える。

「突然ながら……」

「はい……はい」