Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lisez 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 314 caractères · 398 écrans
お松はこれから、恩義の枷でその中へ送られて行かねばならぬ。言いようのない辛さ。こんな時に兄弟でもあったらと思うにつけて、雨宿りした兵馬の面影、かりそめの縁ながら、目先にちらついて忘るることができません。
兵馬もまたこの家を出でてから、なんとなくかの少女が可憐に思われて、その後もしばしばこの家の前を通りかかったことはありましたけれど、その折の少女の姿は再びそこに現われることがありませんでした。
二十七
それから一カ月ばかり後のことで、もう秋の夜長のさびしさがうっすら身に沁みる頃、伝馬町の神尾の邸の湯殿に火を焚いている大男があります。それは水車番の与八でした。例の独言を聞いていると、与八がどうしてこの邸へ来たかがわかります。
「大先生がおなくなりなすって俺はつまらなくなったから、お江戸へでも出てみたらと当家様へ御奉公に上ったわけだが、やっぱり水車小屋にいた方が俺が性に合ってる、あれほど親類の衆も言って下すっただから水車番をしていればよかったに、俺モウいちど水車小屋へ帰るべえか……」
与八は今の境遇よりも水車小屋の昔が懐かしいと見えて、
「あのガタンピシンという杵の音や、ユックリユックリ廻る万力や、前の川をどんどと威勢よく流れる水の音なんぞが、なんぼう好い心持だか。