Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lisez 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 262 120 caractères · 516 écrans
「大地を打つ槌は外るるとも、そればっかりは疑いなし」
「ほんとうに有難い仕合せですね。そうしてなんですか神尾の殿様、あなた様は、いったいその身分のあるお武家様がどなたでいらっしゃるか、見当をつけておいであそばすでございましょうね」
と言ってお角は、そっと神尾主膳の面をうかがいました。
「そりゃ拙者にもわからん、その若いのを生捕って、旗揚げの軍費を調達させた当人に聞いてみるよりほかはなかろうよ」
「では全く、殿様は御存じないんでございますね」
「知っていれば、ただは置かんよ」
「御存じないのが、あたりまえですよ、そんなことがあろうはずがございませんもの。もしありましたら、大びらに御披露して、ずいぶん皆様を羨ましがらせて上げるんですけれども」
お角はこう言って笑いましたけれども、なお神尾の腹の底を読もうとするらしい。しかし、神尾はそれ以上は何も知っておらぬようです。その時にまた廊下で慌しい人の声、
「殿様、殿様、神尾の殿様、金助でございます」
金助というのは多分、両国橋の上で、宇治山田の米友のために大川の真中へ抛り込まれたその人に相違ありますまい。でも、無事に這い上って、この屋敷へたどり着いたものと思われます。