Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

てんぐいわのさつじんま

天狗岩の殺人魔

山本 周五郎

Lisez 天狗岩の殺人魔 (てんぐいわのさつじんま) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 872 caractères · 18 écrans

Aozora Bunko

いよいよこの村へも殺人鬼

いよいよこの村へも殺人鬼

「伯父さん大変だ、凄い記事ですぜ」

扉を蹴放すような勢でとび込んで来た祐吉は、新聞を片手に振廻しながら、

「殺人鬼権六! 当地へ潜入せり、銀行家宮橋多平氏脅迫さる、脅迫状には五千円を要求しあり、当地住民は恐怖動揺を来し、警察当局もまた非常警戒に任じたり」

「うるさい、うるさい!」

平野大造氏は手を振って制した。

「いま京太郎から研究問題の説明を聞いて居るところじゃ、そんな下らぬ新聞記事などは止めにしろ」

「だって殺人鬼権六と云えば……」

「黙れ、おまえは毎も盗難事件だの殺人だのと、まるで探偵のような事にしか興味を持たんじゃないか、そんな事で立派な医者に成れると思うか、少しは京太郎を見習うが宜い、呆れた奴だ」

「じゃア黙りますよ」

祐吉はむっとして、部屋の隅の長椅子へどかっと体を投出した。

此処は南伊豆の大楠村という、半島と半島に囲まれた風光明眉の土地で、東京、大阪の富豪や外人たちの別荘地として、近年ようやく発展しつつある処だ。――平野大造氏は隠退した実業家で、資産五十万円と云われるが妻子も無い全くの独身で、五年まえからこの大楠村に洋館の住心地の宜い家を建て、料理人と下男二人だけを使って気楽な余生を送っている。