Classiques japonais avec furigana
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おばけのこえ
妖怪談義
柳田 国男
Lisez 妖怪談義 (おばけのこえ) de 柳田 国男 (やなぎたくにお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 618 caractères · 16 écrans
二
二
最初まだ当分のうちは、いわゆるまじめな人々は相手になってくれぬかも知れない。しかし気楽で時間の多い子供とか年寄とかが、仲間に入ってくるならばそれで結構である。何でもできるだけ単純な目標、ことにもっとも実際的なる毎日の言葉からたどって行くのが便利なようである。私はある時同志の青年を集めて試みに「ばけ物は何と鳴くか」を比較してみたことがあった。東京などの子供は戯れに人をおどす時、口を大きく開き尖らせた十本の指を顔のそばへ持って来て、オーバーケーとうなるように発音するのが普通のようだが、これは近頃になっての改造かと思われる。というわけはオバケという日本語は、そう古くからのものでないからである。関東の近県から、奥羽北陸の広い地域にわたって、化物の鳴き声は牛のように、モーというのだと思っている人は多い。それがどういうわけかは考えてみた人もあるまいが、大よそ人間のしたりいったりすることに理由のないものがあろうはずがない。もし今以てそれを解説しあたわずとすれば、すなわちその根源にはいまだ究められざる事実があるのである。
多くの動物の名がその鳴き声からつけられているごとく、オバケもモーと鳴く地方では、たいていは又それに近い語を以て呼ばれている。