Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
よめとりにだいき
嫁取り二代記
山本 周五郎
Lisez 嫁取り二代記 (よめとりにだいき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 763 caractères · 23 écrans
お笛の頬にさっと紅がさした。
「察してはおろうが、武家と云うものは諸事格式の厳しいものだ。近来は商家から嫁を迎えるものもないではないが、それさえきわめて稀なこと、――ましてその方のように、一度芸妓勤めなどした体では、正式の婚姻などなかなかむずかしい話だ。しかし……それとても神かけてできぬと云う訳ではない、ないけれども――直次郎はわしの跡目を継ぐ体、万一血統でも濁るような事があると先祖に対して申訳けがない」
「血が濁ると仰せられまするは?」
「稼業がらその方の体が、今まで潔白であろうとは思われぬ、と申すのだ」
「――潔白でござります」
お笛は静かに眼をあげた、「十四で座敷勤めに出ましてから六年のあいだ、のっぴきさせぬ危い折も両三度はござりました、――けれど、わたくし体だけは清浄に護り通して参りました、どうぞお信じくださいませ」
「だが、こればかりは証拠がないでの」
お笛はきゅっと唇をひき緊めたが、
「失礼ながら」
と膝へ手を置いて云った、「貴方さまには、お上を毒害してお家を横領しようと云う御野心がござりましょう」
「な、なにを云う」
突然の事に勘兵衛は仰天して、「冗談も事によるぞ、この牧屋勘兵衛に逆心ありとは、ど、どこを指して申すのだ」