Classiques japonais avec furigana
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やまをおもう
山を思う
石川 欣一
Lisez 山を思う (やまをおもう) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 814 caractères · 157 écrans
即ち最も上手な青年達は、シャンツェのある側へ行き、それ程でない人達は向う側の斜面で滑ったり止ったりし、一番下手な我々は、こちら側の斜面をころびながら上下し、より下手な連中はまるで斜面にさしかゝらず、その上の、平坦な場所で、立ったり坐ったりするのであった。
坂の上までたどりついたお嬢さんは、器用にスキーをはいた。恐らく東京で練習して来たのであろう。お父さんは先ずお嬢さんの写真をうつした。そして、写真機を革の箱に仕舞い込むと、
「さあ、杖をこう持って、グンと押して御覧!」といゝながら、ズルズルと、かなり固く踏まれた雪の上を滑って行った。お父さんはもう会社の小使さんにやってもいゝような外套を着、狐の毛皮を首にまいた上に、絵葉書型のコダックを肩にかけ、外套の裾から長靴下を出している。どうもスキーに来た重役というよりも、兵営建築用の材木を見に来た陸軍御用商人といった形である。それはとにかく、二三間滑ったかと思うと、ドサリと倒れて了った。
お嬢さんはほがらかな声を立てゝ笑った。
お父さんは雪まみれになって呶鳴った――「笑う人がありますか、スキーは三千遍ころばなくっちゃ上手になれないのだ。