Classiques japonais avec furigana
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かいきよんじゅうめんそう
怪奇四十面相/宇宙怪人
江戸川 乱歩
Lisez 怪奇四十面相/宇宙怪人 (かいきよんじゅうめんそう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 182 581 caractères · 364 écrans
それは、三十歳ぐらいの、会社員のような人でしたが、べつに、会社へいくようすもなく、一日じゅう、アパートの部屋にとじこもって、窓のカーテンのすきまから、そっと、ひろっぱのほうをのぞいているのでした。
その窓は、ちょうど、ゆりかさんの住んでいる、コンクリートのくらの入り口に、むきあっているので、くらへ出いりするものがあれば、ひとめでわかるのです。
男は、ただ、すき見するだけでなく、大きな双眼鏡を持っていて、それを目にあてて、カーテンのすきまから、のぞいていることもあります。
いや、それだけではありません。その部屋には、電気のスイッチ盤のような、たくさんボタンのついた機械がおいてあって、男は、ときどき、そのボタンを押しているのです。ボタンのそばには、ひとつひとつ、小さな紙がはってあり、それに、『音楽』だとか、『電灯』だとか、『ガス』だとか、みょうなことばが書いてあります。
また、このアパートの部屋へ、ときどき、こっそりたずねてくる人がありました。おとなの人もきましたが、少年の客もありました。その少年は、ほかならぬ明智探偵の助手の小林君でした。
小林少年は、その部屋のドアを、コツコツコツと、暗号のようなたたきかたをして、はいってくると、男のそばによって、ヒソヒソとささやくのでした。