Classiques japonais avec furigana
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たんていやわ
探偵夜話
岡本 綺堂
Lisez 探偵夜話 (たんていやわ) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 140 363 caractères · 277 écrans
」
そこで、友之助が役所へ出て行ったあとで、お銀はお筆をそっと呼んで、かの相談をうち明けると、お筆はその返事を渋っていて、自分は他家の厄介になっている身の上であるから、まだ当分は嫁に行くなどという気はないと答えた。お銀は年寄りで気が短かい。一旦思い立った以上、どうしてもこの相談をまとめてしまいたいと思って、いろいろに説得してみたが、お筆はいつまでもあいまいな返事をしているので、お銀も年寄りの愚痴やひがみもまじって、どうでわたしの忰のような者はあなたの気には入るまいとか、ろくな月給も貰わない安官員では士族のお嬢さまと縁組は出来まいとか、厭味らしいことをだんだんに言い出して来たので、お筆もひどく迷惑したらしい様子で、最後にこんなことを言った。
「そう仰しゃられると、わたくしもまことに困ります。実はあの……。こちらの友之助さんは、家のお蝶さんと……。」
「え。友之助がお蝶さんと……。ほんとうですか。」と、お銀はおどろいて訊きかえした。
「どうかこれは御内分にねがいます。」
「まあ、それはちっとも存じませんでした。一体いつ頃からでしょう。」
「わたくしもよくは存じませんけれども……。