Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lisez 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 103 349 caractères · 207 écrans

Aozora Bunko

ブラブラ大きな風呂敷包みをさげて歩いていると、ザラザラした気持ちで、何もかも投げ出したくなった。間代も払って、やれやれと住み込むと、二週間でお払いばこだ。

蒼い瓦葺きの文化住宅の貸家があった。庭が広ろくて、ガラス窓が二月の風にキラキラ光っていた。休んでやろうかな。

勝手口をあけると、さびた鑵詰のかんからがゴロゴロして、座敷の畳がザクザク砂で汚れていた。

昼間の空家は淋しい、薄い人の影があそこにもこゝにもたゝずんでいるようで、寒さがビンビンこたえて来る。

どこへ行こうかしら、弐円ではどうにもならないし、はばかりから出て来ると、荒れた縁側のそばへ、狐のような目のクリクリした犬がじっと私を見ている。

「何でもないんだよ、何でもありゃしないんだよ。」

言いきかせるつもりで、私は屹とつったっていた。

どうしようかなあ……。

夜。

新宿の旭町の木賃宿へ泊る。

石垣の下の、雪どけで、道がこねこねしている通りの、旅人宿に、一泊参拾銭で私は泥のような体を横たえた。

三畳の部屋に、豆ランプのついた、まるで明治時代にだってありはしない部屋の中に、明日の日の約束されてない私は、私を捨てた島の男へ、たよりにもならない長い手紙を書いた。