Classiques japonais avec furigana
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
Lisez 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子 (どうじ) de 室生 犀星 (むろうさいせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 454 caractères · 357 écrans
」
「死んでいるんだから分らない?」
童子は、おなじことを言って、眼で考えるようにして見せた。父親はそのとき不思議なほど何かに思い当って顔色を変化えた。その筈である。母親が真青になっていたから――。
「お父さん、僕はどうしてこうして居るのでしょうか。お魚のようにではないでしょうか。」
童子は、手に携った笛を腰のあたりに差した。そして童子自身が困りぬいたかおをして見せた。
「おまえはおとうさんの子だから、そうしてお母さんの傍にいるのは当り前のことなんだよ。おさかなとはちがう。ほらおまえはちゃんとそうして其処に坐っているではないかね。」
父親はそういうと、なお一層わかりやすく話し出そうとした。
「そうしているとお前にはお父さんの顔がよく見えるように、お父さんからもお前の顔がよく見えるんだ。だからお前は詰らないことを言ってはなりません。」
童子は、黙って時計をさッきから見恍れていたが、その白い肌に遠い覚えを辿るようなむしろ鬱陶しい目いろをした。
「あの時計は僕は知っている!」
そう言って文字を読むような目つきをして立ち上った。
「そうとも、おまえは何時も珍らしそうに時計を見ていたんですよ。