Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
うきふね
文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集
泉 鏡花
Lisez 文豪怪談傑作選・特別篇 鏡花百物語集 (うきふね) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 938 caractères · 67 écrans
七
「ああ、私。」と、ばらりと落すと、下褄の端にちらめいて、瞼に颯と色を染めた、二十三四が艶なる哉。
七
「私、何うしたら可いでしょう。極りが悪うござんすわ。」
と婦は軽く呼吸を継いで、三味線の糸を弾くが如く、指を柱に刻みながら、
「私、お知己でもないお方をお呼び申して、極りが悪いものですから、何ですか、ひとりで慌てしまって、御茶台にも気が付きません。……そんな自分の湯呑でなんか。……失礼な、……まあ、何うしたら可うございましょうね。」
と襟を圧えて俯向いて、撥袋を取って背後に投げたが、留南奇の薫が颯として、夕暮の奇しき花、散らすに惜しき風情あり。辰吉は湯呑を片手に、
「何うしまして、結構です。難有う。そしてお師匠さん。貴女の芸にあやかりましょう。」
「存じません。」
と、また一刷毛瞼を染めつつ、
「人様御迷惑。蚊柱のように唸るんでございますもの、そんな湯呑には孑孑が居ると不可ません。お打棄りなさいましよ。唯今、別のを汲替えて差上げますから。」と片手をついて立構す。
辰吉は圧えるように、
「ああ、しばらく。貴女がそんな事をお言いなすっちゃ私は薬が服めなく成ります。