Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 320 caractères · 398 écrans

Aozora Bunko

太兵衛、善助のふたりも、初めて主人の心と、こよいの用向きを解した。心得て候と太兵衛が巌之助を負う。善助がそばに従いて行く。

「……では」

「では、これにて」

云いつつも、別れ難かった。官兵衛も、心を鬼にして、早く去ることが、情けだと思いながら、つい逡巡して、去りがてに、同じことばを繰り返していた。

――と、将監基国は、

「官兵衛どの、あすは戦場で、お目にかかりますぞ。おさらば。――その折に、おたがい、こよいの私情にさし挟まれて、槍さきを鈍らせては、末代までの名折れ、まかりちがえば、あなたのお首を頂戴するやも知れぬ。貴公もまたおぬかりあるな」

と、笑って、さらに、

「さらば」

と、投げ捨てるようにいうやいな、足を早めて、すたすたと城の方へ駈けて行った。

官兵衛は、早速、平井山へもどると、秀吉の前に出て、敵将から託されたこの幼児を見せた。

「育ててやれ。よい善根だ。――それになかなかよい子ではないか」

いいものを拾ったといわないばかり、子ども好きな秀吉は、眼をみはって巌之助の顔を見たり、傍へ寄せて、頭を撫でまわしたりしていた。

おそらく、まだ何もわかるまい、この正月でわずか八つになったばかりの巌之助である。