Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Lisez 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) de 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 240 656 caractères · 478 écrans

Aozora Bunko

真ッすぐいって三ノ輪、金杉と飛ばして行けば、上野のお山下から日本橋へ出て江戸の真中への一本道です。寺の角から新堀伝いの左へ下ると、退屈男とはめぐる因果の小車のごとくに、切っても切れぬ縁の深い新吉原の色街でした。――もうここまで来れば匂いが強い。右も左も江戸の匂いが強いのです。

しかも、時刻はお誂え向の丁度宵下がり。

何ごとも知らないものの如く眠っていたかと思われたのに、その浄願寺角までやって来ると、俄然、カッと退屈男が息を吹き返した人のように、夢の国から放たれました。

「止めいッ。駕籠屋!」

「へ?」

「匂うて参った。身共はここで消えて失くなるぞ」

「何の匂いでござんす? 火事や江戸の名物だ。ジャンと来た奴なら今に始まッたこッちゃござんせぬ。年中焦げ臭せえですよ」

「匂い違いじゃ。吉原の灯りの匂いよ。名犬はよく十里を隔てて主人の匂いを嗅ぎ知る。早乙女主水之介夢の国にあって吉原の灯りの匂いを知るという奴じゃ。何はともあれ江戸へ帰ったとあらばな、ほかのところはともかく、曲輪五丁町だけへは挨拶せぬと、眉間傷もおむずかり遊ばすと言うものじゃ。――菊! 別れるぞ。早う屋敷へ帰って、京弥とママゴトでもせい」