Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいあん

明暗

夏目 漱石

Lisez 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 322 590 caractères · 645 écrans

Aozora Bunko

五十一

五十一

彼女が叔父叔母の後に随いて、継子といっしょに、二階の片隅にある奥行の深い食堂に入るべく席を立ったのは、それから小一時間後であった。彼女は自分と肩を並べて、すれすれに廊下を歩いて行く従妹に小声で訊いて見た。

「いったいこれから何が始まるの」

「知らないわ」

継子は下を向いて答えた。

「ただ御飯を食べるぎりなの」

「そうなんでしょう」

訊こうとすれば訊こうとするほど、継子の返事が曖昧になってくるように思われたので、お延はそれぎり口を閉じた。継子は前に行く父母に遠慮があるのかも知れなかった。また自分は何にも承知していないのかも分らなかった。あるいは承知していても、お延に話したくないので、わざと短かい返事を小さな声で与えないとも限らなかった。

鋭い一瞥の注意を彼らの上に払って行きがちな、廊下で出逢う多数の人々は、みんなお延よりも継子の方に余分の視線を向けた。忽然お延の頭に彼女と自分との比較が閃めいた。姿恰好は継子に立ち優っていても、服装や顔形で是非ひけを取らなければならなかった彼女は、いつまでも子供らしく羞恥んでいるような、またどこまでも気苦労のなさそうに初々しく出来上った、処女としては水の滴たるばかりの、この従妹を軽い嫉妬の眼で視た。