Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいあん

明暗

夏目 漱石

Lisez 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 322 590 caractères · 645 écrans

Aozora Bunko

それを津田の口から聞かされていなかった彼女は、二人の様子を想像するまでもなく、彼らとは反対の方角に無心で足を運ばせた後で、叔父の宅へ行くには是非共上らなければならない細長い坂へかかった。すると偶然向うから来た継子に言葉をかけられた。

「昨日は」

「どこへ行くの」

「お稽古」

去年女学校を卒業したこの従妹は、余暇に任せていろいろなものを習っていた。ピアノだの、茶だの、花だの、水彩画だの、料理だの、何へでも手を出したがるその人の癖を知っているので、お稽古という言葉を聞いた時、お延は、つい笑いたくなった。

「何のお稽古? トーダンス?」

彼らはこんな楽屋落の笑談をいうほど親しい間柄であった。しかしお延から見れば、自分より余裕のある相手の境遇に対して、多少の皮肉を意味しないとも限らないこの笑談が、肝心の当人には、いっこう諷刺としての音響を伝えずにすむらしかった。

「まさか」

彼女はただこう云って機嫌よく笑った。そうして彼女の笑は、いかに鋭敏なお延でも、無邪気その物だと許さない訳に行かなかった。けれども彼女はついにどこへ何の稽古に行くかをお延に告げなかった。

「冷かすから厭よ」