Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいあん
明暗
Lisez 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 322 590 caractères · 645 écrans
「ええあるわ。小林さんなんかにはとても見当のつかない神秘的なものがたくさんあるわ、夫婦の間には」
「あるなら一つ教えていただきたいもんですね」
「独りものが教わったって何にもならないじゃありませんか」
「参考になりますよ」
お延は細い眼のうちに、賢こそうな光りを見せた。
「それよりあなた御自分で奥さんをお貰いになるのが、一番捷径じゃありませんか」
小林は頭を掻く真似をした。
「貰いたくっても貰えないんです」
「なぜ」
「来てくれ手がなければ、自然貰えない訳じゃありませんか」
「日本は女の余ってる国よ、あなた。お嫁なんかどんなのでもそこいらにごろごろ転がってるじゃありませんか」
お延はこう云ったあとで、これは少し云い過ぎたと思った。しかし相手は平気であった。もっと強くて烈しい言葉に平生から慣れ抜いている彼の神経は全く無感覚であった。
「いくら女が余っていても、これから駈け落をしようという矢先ですからね、来ッこありませんよ」
駈落という言葉が、ふと芝居でやる男女二人の道行をお延に想い起させた。そうした濃厚な恋愛を象どる艶めかしい歌舞伎姿を、ちらりと胸に描いた彼女は、それと全く縁の遠い、他の着古した外套を貰うために、今自分の前に坐っている小林を見て微笑した。